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突発ss

大人スレサク+仔ヒナ


ヒナタを暗部にしたい上層部の大人たちとヒナタに汚れた仕事をさせたくないけれど、上の命令に逆らえないサクラ。どうせこの道を歩ませる事になるのなら、自分がヒナタを誘導しよう、とせめてもの償いのつもりのサクラ。


ヒナタは、サクラの元でどう育っていくのでしょう・・・





くすんくすんくすん



大きな木下で小さな女の子が泣いています。
白い着物は寝間着のようです。だって、もう真夜中なのですから。本当ならその子は寝ているはずなのです。

けれど

女の子は泣いています。




「どうしたの」






その姿を見た私は、声をかけずに入られません。

だって、彼女の涙は世界の涙なのですから。






「金魚の、命を奪ってしまいました」








大きな木下の根元には、土が持ってあります。
女の子の手は泥だらけでした。

金魚鉢を割ったのでしょうか。
ところどころ手を切ったのか血が流れていました。

しかし、女の子は自分の血をまったく気にしてはいません。




たしか




彼女の大好きなお友達の金魚は真っ赤でした。








「ごめんなさい」









そう言って女の子はまた涙を流します。


ぽたぽたぽたぽた



その涙があまりにも綺麗で、純粋で、私はもう何も言うことが出来ないのです。




嗚呼、









何故大人は、こんな小さな命を奪ってしまった事に酷く悲哀する優しい小さな女の子を人殺しの道へと引きずり込もうとするのでしょうか。


嗚呼、




この子は私たちを恨むのでしょう。





嗚呼、嗚呼、、、






この子はこれからいく億の涙を流すのでしょうか。

何せ、愛するもの全てに愛情を注いでくれる子ですから。
金魚の死に、涙するこの子は、人の命を奪った時に、声をあげて泣くのでしょう、ね。





あ、ぁ、、、



そうであって欲しいと願う私はとても傲慢です。汚い大人です。


そう自分を揶揄したところで、私は子のこの運命を変えることが出来ないのです。



もし願うのなら世界を壊して見せましょう







この子に、人殺しなんてさせたくはないのです。
そんなことをするのは私だけで十分。だから、消してしまってもいいと思うのです。この女の子に一滴の血でさえ触らせたくはないのです。


けれど、やはりこの子は涙を流して、声をあげて泣くのでしょう。

そしてきっと、私を憎んではくれません。
私を抱きしめるのです。











嗚呼、嗚呼、嗚呼・・・!







「ヒナタ、もう遅いから帰ろう?」







明日は、朝から二人一緒に世界一幸せな金魚の墓を参るのです。









金魚になりたい!なってしまいたい!








愛だけを与えて、愛だけを受け取る







もう少ししたらあの子は私から刀を受け取る事になるのです。







「ごめんなさい」







護る事が出来なくて











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(C)ヒツヂ鍋の弁解 / ブログ管理者 AYA
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